紬
(縞、絣)
黒喪服
黒無地に染め抜き五つ紋のきものに黒喪帯、小物も黒で統一。遺族や親族、個人と近い
間柄の人は通夜から三回忌くらいまで。ただし、通夜よりも前の弔門には、着ません。
紬の
訪問着
織りのきものの代表が、節のある糸で織った紬です。現代ではその地風が好まれ、洒落味
のある外出着として様々なタイプの紬のきものが作られるようになりました。紬地に絵羽模
様を染めたり、織りで柄を表した訪問着は、軽い訪問着と考え、主にカジュアルなパーティ
ーや会食、趣味の会などに。柄行や地風によって、着る場を選びます。
色無地
軽い
略喪服
赤系以外の紋付色無地や江戸小紋、無地調子のきものに色喪帯。小物はグレーか帯の
共薄色。遠い回忌の法事やホテルでの偲ぶ会には、黒を強調しない装いがお勧め。
重い
略喪服
紫、グレー、青系など地味な色の紋付色無地に黒喪帯、小物は黒やグレー、紫。友人、
同僚などの間柄なら、通夜から。親族ならば、一周忌から。喪主や家族は三回忌以降に。
縞や絣柄を織り出した紬は、昔は普段着とされていたカジュアルなきものです。しかし、
現代では、軽い外出着として様々な場で着られるようになりました。お稽古や趣味の会、
友人との食事など、気負わないお洒落をしたいときにふさわしいきものです。たとえ高価
であっても、婚礼や茶会など格のある装いを求められる場には着ていけません。
無地紬
無地の紬は、絣柄や縞を織り出した紬よりも少し改まった装いとする事が出来、帯合わせに
よっては、気軽なお茶会にも着られます。また、色無地に紋を付けて格の高いきものにする
事が出来るように、紬でも無地ならば縫い紋を一つ付ける事が出来ます。これは、紬の訪問
着と同じような感覚で、様々な場所に着ていけます。
小紋
江戸小紋
柄の無い無地のきものが色無地。五つ紋を付けて礼装とすることもできますが、実際に
着やすいのは一つ紋。これは格のある帯合わせで準礼装にもなります。また、細かい柄
を白上げで染める江戸小紋も、色無地と同じ感覚で着られます。細かく、格のある柄なら
一つ紋を付けて準礼装に。紋の無い色無地や洒落感覚の柄の江戸小紋は軽い外出着
です。
付下げ
同じ絵羽模様でも、白生地を裁ってから染める訪問着に対して反物のまま染めるきものの
ことを付け下げといいます。基本的に縫い目に柄が渡らない柄行だったので、訪問着より軽
い外出着とされます。しかし、現代では柄行が多様化して、訪問着と区別する意味があまり
なくなりました。どちらも、模様の柄と豪華さで着分けることが大切です。
訪問着
色留袖
黒以外の色の地に格のある裾模様のきもの。婚礼では、未婚の姉妹や親族、立場の
重い列席者は色留袖がよいでしょう。また、華やかなパーティーや初釜などにも。五つ
紋付に白の比翼仕立てならば第一礼装となりますが、三つ紋付きならば幅広い機会に
着られます。
胸と裾に柄合わせをした模様を染めたきもの。婚礼(列席者や親族)、パーティー、茶会、
会食など、もつとも幅広く活用できるきものですが、着る場に応じてふさわしい柄行やコ
ーディネイトを選びましょう。
黒留袖
黒地に裾模様のきもので、既婚女性の第一礼装です。婚礼で仲人夫人、新郎新婦の母、
親族が(場合によっては列席者も)着用します。年齢や立場に応じてふさわしい柄行を選び、
染め抜き五つ紋を付け、白の比翼仕立てにするのが決まりです。
全体に柄があり、柄を繰り返しているきもの。一般に、軽い外出着とされ、お稽古や観劇、
友人との食事会などにも向くきものです。ただ、小紋にもさまざまなタイプがありますから、
模様と格と華やかさによって、着る場を考えます。格式張らない場であってもカジュアルな
パーティーや軽いお茶会には、格のある古典柄のきものを選びましょう。